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感染症について

感染症とは

 病原微生物の体内への侵入、定着、増殖によってひき起こされる病気が感染症です。

 病原微生物を大きさが大きい順に並べると、寄生虫→原虫→細菌→ウイルスとなります。このうち寄生虫感染症は「寄生虫症」として、他の感染症と分けて論じられます。

 このほかカビによる感染症は「真菌感染症」と呼ばれます。

 原虫感染症の代表はマラリアです。この他アメーバ赤痢、トリコモナス膣炎などが比較的知られた疾患でしょうか。

 抗生物質による治療が有効なのが細菌感染症です。感染部位により肺炎、膀胱炎、胆嚢炎、中耳炎など様々な部位に炎症が起こります。炎症症状とは発赤(赤くなる)、腫脹(はれる)、灼熱(熱をおびる)、疼痛(痛む)の四つが基本徴候で、細菌の感染した部位によって、その臓器特有の症状が加わります。肺炎球菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などが代表的な細菌ですが、これらとは少し性質が異なる細菌として、抗酸菌(結核のなかま)、マイコプラズマ、クラミジアなどがあります。

 ウイルスは非常に小さい病原体で、電子顕微鏡でないと直接観察することが出来ません。むかし「生物と無生物の間」などと表現されたこともありますが、外界では植物の種のようになって眠っていますが、植物と違うのは水や温度などといった条件が整っても芽を出すということはありません。ウイルスは自分だけでは増殖が出来ず、宿主(動物や植物)の体内に入り、細胞に侵入して初めて活動を開始し、宿主細胞の遺伝子を利用して増殖していきます。抗生物質は効かず、基本的に殺菌的に作用する薬がありません。病気が治るのは個人の免疫力の働きによってです。代表的なウイルスはインフルエンザ、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)&ヘルペス、風疹、ムンプス(おたふくかぜ)、肝炎、エイズなどです。 

風邪について

 病原微生物による上気道感染によって様々な症状が引き起こされます。はなみず(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)、のどの痛み(咽頭痛)、発熱、咳、頭痛、だるさ等です。病原微生物の種類によって、少しずつ症状は変わりますが、原因微生物の種類を問わず、この病態をかぜ症候群といいます。これがいわゆる風邪(普通感冒)です。

 かぜ症候群の90%前後はウイルス感染と言われています。ですので抗生物質は効かず、有効な薬はありません。症状をやわらげる、消炎鎮痛剤(炎症止め、熱冷まし)、鎮咳剤(咳止め)、去痰剤(痰きり)、抗ヒスタミン剤(鼻水止め)などの薬を内服し、安静を保つのが基本です。通常の風邪なら3、4日で症状は軽快します。

 38℃以上の高熱が続く、局所症状が強い、3、4日過ぎてから症状が悪化するなどの経過をとった場合は細菌の二次感染を考えて抗生物質を投与しますが、易感染性の基礎疾患がある場合(糖尿病、肺気腫など)は、当初より抗生剤を併用します。

 風邪(普通感冒)の治療の基本は、安静と充分な水分補給、睡眠です。インフルエンザの場合は全身症状が強く、普通感冒と区別して扱われますが、基本は同じです。普通感冒でも油断は禁物です。生活リズムに気をつけて、なるべく安静を心がけましょう。

 

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